らくだの日記

読んだ本の感想や、書いている小説についてのあれこれを語ります。

過去の感想文。「いまファンタジーにできること」と「ケルトを巡る旅」。

 以前覚書としてEvernoteに書いていた感想文を載せてみようと思います。自分ではへー! となった感想文なんだけど、他の人にとってはそうでもないかも。

 

 まずはアーシュラ・K・ル=グウィン「いまファンタジーにできること」について。身も蓋もないですが、わたしはこの本を読んで「自分はファンタジーを読むのには向いてない」と確信しました。でもジャンルとしてのファンタジーに向いてないだけであって、SFやその他の文学作品から漂うファンタジーには惹かれるものがあります。ちなみにル=グウィン作品は読んだことないです。

いまファンタジーにできること

いまファンタジーにできること

 

  あんまりよくわからないまま読んでる。ファンタジーに慣れてないしあんまり読んだことがないからだと思う。動物物語のくだりはもう少し真面目に読んでおきたい。興味がある。

 結局102頁までのまとめとして、「ファンタジーは子供向けとは限らない、ファンタジー=児童文学というのは批評家の思い込み、均質化した社会では人間以外の他者とは出会いにくい、だから人はファンタジーを読む」ってことかな。それはわかるかな。わたしが幻想文学や児童文学を好むのは、違う世界の全く違う価値観の人々に出会いたいからかも。動物物語の今のところのまとめとして、動物物語を書くならユーモアや動物に沿った「正しい翻訳」が必要で、作者の言いたいことを動物に好き勝手に言わせてはならないってことかもしれない。まとめてみたら納得。でもこの人の言葉は意識的にまとめないとすんなり入ってこない。読んでいるうちは楽しいんだけど。
 ファンタジーにはあんまり向いていない気がする。この人があまり評価していないSFは好きだと思う。結局ファンタジーこそが至高とは限らない。この人も至高とまでは言ってないけど。未知に惹かれる人こそがファンタジーに向いていると思う。わたしは人間の新しい知識や可能性を秘めたSFや、能力としての想像力が試される幻想文学に惹かれる。結局わたしは人間が好きで、人間が興味の対象なのだなあ。
 今は半分だけ読んでるけど、図書館の期限は6日後。スタバじゃないと読めないし、休みはもうないから焦る。家で読めるようになりたいなあ。

  こんな感想でした。間違ってることを言ってるかもしれないけど、これがわたしの感想でした。

 続いて河合隼雄ケルトを巡る旅」の感想。河合隼雄はだいぶ前に亡くなった臨床心理学者です。 
ケルトを巡る旅 -神話と伝説の地 (講談社+α文庫)

ケルトを巡る旅 -神話と伝説の地 (講談社+α文庫)

 
 ピンと来たのが、河合氏が言っていることがこの間よみかけてやめたル=グウィン「いまファンタジーにできること」で書かれていたことに似ている、ということ。均質化した社会を憂えている点が非常に似ている。ル=グウィンは「だから人々はファンタジーの中に他者を見つけに行くのだ」という趣旨のことを言っていたが、河合氏は「キリスト教的な考えを広めるグローバリゼーションで均質化した社会の辺境に、それ以前の感覚が残っている」と言っていた。ル=グウィンの本、続き読みたくなってきたなー。
 最も合理的で最もヨーロッパ的な(土から離れたキリスト教的な)国がアメリカだと河合氏は言う。だからアメリカ人は「言葉で表現しない限り通じない」と考え、何もかも説明しようとすると。「言葉で表現しない限り……」って、最近日本でもよく見るなあ。だいぶアメリカナイズされているのではないだろうか。
 読んでいる内に、「強い文化こそが正しいわけではない」と感じ始めた。最近わたしは人権の問題から「人は他人を変えることができる」と思い込み、押し付けるようなことを言ったり否定したりしてきたが、間違っていたかもしれない。また、中国の文化人である宋氏の「モダンで強い中国礼賛」に影響を受けすぎて、日本もこうなるべきだと思っていたが、やはりあれは自然から離れすぎていていつか破綻を来すあり方だと思った。人間は土から離れてはいけないし、土から離れない人間を否定すべきでもない。自然から離れれば離れるほど、人間関係は困難になるし、心の問題は辛いものになっていく。
 魔女の項目。ドルイドの項目よりはよほどわかりやすい内容だった。魔女も河合さんも、「キリスト教や近代科学だけでは解決できないこと」があると言っている。魔女はその一つとして魔女の職業があり、河合さんも「何か」があるように言う。河合さんの場合はそれがもっと精神的なものや答えだと言っているのかもしれない。キリスト教や近代科学を全否定してはいけないのだという。大事なのはバランス、ということだろう(これはドルイドの項目で言っていた)。

  みたいな。スピリチュアルなことを言ってると思いますか? でも本を読んでいるときってトランス状態みたいなもので、本の世界が真実になってしまうんですよね。でもある程度の真実を含んでいる気がするんです。読んでみたら二冊の本の感想が繋がっていたから載せてみました。どっちも何か気づきがあるような気がしてよかったです(ただし「いまファンタジーに…」は途中)。以上。