らくだの日記

読んだ本の感想や、書いている小説についてのあれこれを語ります。

昔読んだ本をいい加減な記憶と共に懐かしむ記事。

懐かしい本たち

 読書メーターを見ていたら、懐かしくて懐かしくて読み返したい思いが止まらない。でも読み返すのは大変。だから思い出すことでこの気持ちを抑えようと思います。

 結構たくさん読みました。山尾悠子スティーヴン・ミルハウザー久生十蘭木地雅映子、飛博隆。この辺りはまだよく思い出すし未だに新刊を待っている作家たちです。小川洋子ポール・オースター夢野久作ロアルド・ダールバリー・ユアグロートルーマン・カポーティ。この辺りはわたしからの訪れが途絶えた作家たち。夏目漱石谷崎潤一郎三島由紀夫。わたしに本の面白さを教えてくれた作家たち。そして倉橋由美子森茉莉皆川博子。わたしに変な性癖を植えつけおって! おのれ! な作家たちです。

 よく読む作家、性癖を植えつけた作家はよく語っているので、今回は一冊限りで読んだ作家のその一冊の本について語ってみようと思います。

小沼丹「村のエトランジェ」

 これ、かなり好きな作品集です。白い孔雀のいるホテルの話とか表題作とか、とてもスタイリッシュな文章で惹きつけられます。表題作は戦争のころに田舎に疎開した少年が主人公で、都会育ちの少年が出会った田舎の少年が何だか冷静で格好良かった記憶。

村のエトランジェ (講談社文芸文庫)

村のエトランジェ (講談社文芸文庫)

 

  おおー、面白い! と感動し、講談社文芸文庫を買いあさるきっかけとなった本です。何で気に入ったのに他の作品も読まなかったかというと、講談社文芸文庫は高いからです。文庫だけど1500円くらいしたりするし、後回しにしていたら遠ざかってしまっていました。すごく気に入ったわけではないから、高くても買う情熱が湧かなかったらしい。

 でも、スタイリッシュであっさりした風味の作品が好きな方にはおすすめです。

ウィリアム・ゴールディング「蠅の王」

 これ、大好き! 洋書で買ってしまったくらい大好きです。とにかく人間の邪悪な部分をえぐるように描く、力強い作品。えぐるように描く対象が、まだ未発達な少年たち。残酷極まりないですね。

蠅の王 (新潮文庫)

蠅の王 (新潮文庫)

 

  主人公の少年は未来の戦争で飛行機で疎開していて墜落し、無人島に子供だけで残されます。少年たちは確か十五人くらい。「珊瑚島」という少年漂流記を下敷きにしているという話です。少年たちは最初は規律を作って、守って、どうにか生活しているのですが、次第にタガが外れて野生化した少年たちと規律を守り続ける少年たちに分かれます。その最後の争いの様や、ラストシーンが壮絶。

 他の作品を読んでいないのは、他にないからです。翻訳されてませんね、ゴールディング

ウィリアム・ホープ・ホジスン「異次元を覗く家」

 これ、面白かったー! 家にどんどん押し寄せてくる、この世ならざる何か(幽霊のようで違う。別の次元に住む生き物たち?)。攻防の様が手に汗握るし、怖いです。

異次元を覗く家 (ハヤカワ文庫 SF 58)

異次元を覗く家 (ハヤカワ文庫 SF 58)

 

  今は入手しにくいんですね。わたしは十年ほど前にアマゾンで買った記憶があります。はっきりとは覚えていないのですが、とにかく不気味で気持ち悪くて楽しかった。ラストシーンは全く理解できないくらい異次元でした。小娘が(面白さのあまり)急いで読んでどうにかなる作品ではなかったのです。

 これはまた読みたい! 希少価値が高いのもあり、絶対に手放せない本です。

ジェラルド・カーシュ「壜の中の手記」

 もう全く内容を思い出せない。でも最高に楽しく、もう一度読みたい! と小娘のわたしが思った本です。短編集で、他には作品が出てなかったような。SFです。

壜の中の手記 (角川文庫)

壜の中の手記 (角川文庫)

 

  調べたら何とか別の作品も手に入りそうですね。ちょっと努力してみようと思います。

小栗虫太郎黒死館殺人事件

 これは、単純に前衛的すぎてついていけず、意味が分からないまま読了というパターンですね。同じ奇書の「ドグラ・マグラ」なら楽しく読めたのですが。

黒死館殺人事件 (河出文庫)

黒死館殺人事件 (河出文庫)

 

  でも一応取ってあります。いつか再読し、わかる日が来るのかもしれない。面白さの片鱗は見えていたのです。

イスマイル・カダレ「夢宮殿」

 これは珍しい小説で、アルバニアの小説です。夢宮殿という政府の施設で、国民の夢を収集したものを管理するという仕事をする主人公が、とんとん拍子に出世していく不気味な小説。ドリーミーな感じもファンタジックな感じもなく、ひたすら現実の夢の管理の仕事が書かれ、落ち着かない気分になります。

夢宮殿 (創元ライブラリ)

夢宮殿 (創元ライブラリ)

 

  面白かったです。でもわたしの好みとしてはドリーミーでファンタジックな感じがいいので、もっと読もうとはなりませんでした。結構面白そうな作品が出ているのですけどね。

結論。意外と覚えてる!

 面白かったのに覚えてない小説、面白くなかったのに覚えている小説がありました。記憶って本当にムラがありますね。この中ではやはり「壜の中の手記」「蠅の王」「異次元を覗く家」を読み返したくなりました。特に「異次元を覗く家」。ラストの著者が酩酊したような描写が解読できるといいのですが。

 今はこれ読んでます。これも多分この作家で一冊きりになりますね。

ゴーレム (白水Uブックス 190)

ゴーレム (白水Uブックス 190)

 

  暗いです。なかなか進まない。でも面白そうなのでもう少し読んでみます。