らくだの日記

読んだ本の感想や、書いている小説についてのあれこれを語ります。

先月読んだ本。

 先月と比べたら冊数がた落ち。でも文学フリマ福岡で買った同人誌一冊読んだし、登録してる二冊は結構な厚さだったので大丈夫!

2015年10月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:862ページ
ナイス数:26ナイス

▼10月に読んだ本一覧
http://bookmeter.com/u/75218/matome?invite_id=75218

 「単純な脳、複雑な『私』」は今の脳科学でわかったことをわかりやすく説明した新書。講談社ブルーバックスです。これは面白かったですね〜。現実なんて私たちがそう信じてるだけ、相手がロボットであってもこちらが知らなくて人間だと思えば人間という仮定があって、それだったら小説を読むことは絵空事に夢中になる愚かな行為とは言えなくなるな、ハハハ、などと思ったり。真実味がある力強い小説を読んだときの想像は、現実での経験に勝る場合があるんじゃないか。なんて、そんなことは書いてませんでしたが。私の連想です。
 「裏面」は素晴らしかった。夢の国を作ったという学生時代の友人に招待され、行ってみたはいいがそこは悪夢のように変な人ばかりが変な暮らし方で秩序を作っている。小汚い元王女の老婆とか、色情狂の医者の妻とか、雇い主より有能な床屋の猿とか、ごみしらみを一生懸命探す昆虫学者とか、たくさん変わった人が出てきます。そこに夢の国に憧れてやってきたアメリカ人が現れ、秩序は破られます。最後の辺りの無秩序っぷりがすごかったですね。殺人、強姦、野営する不潔な人々の群れ……。印象的なのは碧眼の現地人の一人。挿し絵がはっとするほど美しかったのですが、東アジア系で弁髪にしてるんですね。つるっとした顔と鋭く尖った目がアジア人だなという感じでした。
 同人誌は三冊買ったのですが、そのうち一冊、一番厚いのを読了。小柳日向氏の「透明物語」という本で、透明な心を持つ人々を書いた純文学短編集でした。語彙は豊富だけどまだこなれてない文章だなーって感じで最初は読みにくかったのですが、面白かったです。かつてはこんな風に純粋に生きていたなーと思ったり、恥ずかしい過去を思い出して却って懐かしい気分を味わったりしました。バンドマンと女性の関係を描いたものや、結婚後子供がいるけど次第に不安定さを増す女性とその夫の話など、きしきしと氷やガラスが擦れるような危うい感じのある作品が多かったように思います。
 他の同人誌も読みたいけど商業のも積ん読ヤバいんでそちらに移ります。読むつもりなのはアントニオ・タブッキ「逆さまゲーム」です。面白そうです。