らくだの日記

読んだ本の感想や、書いている小説についてのあれこれを語ります。

伊藤計劃。

 伊藤計劃の作品の二冊を読み終えたのは今年のこと。「虐殺器官」から「ハーモニー」と、腑に落ちやすい順番で読みました。どちらもSF長編小説なのですが、作品世界が隅々まで作り込まれていて驚きます。
 「虐殺器官」は未来の世界の平和と内戦が克明に描かれた作品。主人公はアメリカ軍人の青年。人間は肉体があるから精神を持つ、という「ハーモニー」に繋がる考えが既に表れています。
 「ハーモニー」は病気が全てなくなり優しさに覆われた一見素晴らしい未来の世界を描いた作品。これはぞっとします。優しさの押しつけ合いは今でもありますが、それが進むとこうなるんだ、という恐怖。優しい社会は素敵ですが、それを押しつけ合うようになったら抑圧されて苦しむだろうという作品。その先にも更に進んだ展開が待っているのですが、これは書かないでおきます。日本人女性が主人公。
 私も昔から肉体の不思議について考えていたので、伊藤計劃の作品を読んで、すとんと納得できる箇所があって感動しました。なるほど、精神をそう扱いますか、と。正確には脳の仕組みみたいな感じですけどね。
 こんな立派なSF作品を発表されたら、私のショボいSFファンタジー長編を書くのが辛い(笑)ハードル上がりますよね。私は伊藤計劃の影響で、今回の作品を細かく考えるようになりました。なかなか難しいです。私の作品はミリタリー要素やアクション要素がないのであまり動きがないのですが、それを補う登場人物の心理描写が大変。伊藤計劃以降の私は細かく書かないと気が済まないので、ちょっと時間かかりそうですね。
 図書館の本を早く読まないと返却日が来てしまうから、兄の結婚式なんか気にしないで読まないと。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)